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暴れん坊将軍 吉宗評判記 #2
「素晴らしき藪医者」(1978年・S53・1月14日OA)

江戸の町にタチの悪い風邪が流行していた。金が無いため医者にかかれない町人たちが次々に死んでいく一方で、法外な治療費をせびる強欲医者がいると聞いた、将軍になりたての若くて青い吉宗=徳田新之助(松平健)は、その医者に談判に出かける。

彼が薬草畑に脚を踏み入れるなり突如空から鎌が降ってきた(危ない)。と同時に草むらから現われる笠を被った小柄な人物。理不尽な!(全くだ)と憤る新之助の胸をぐいと押し、足元の薬草の新芽を大事そうに撫でる男こそ、悪名高い小川笙船(天知茂)その人だった。

新之助のストーカー的存在(?)・山下幸内(浜畑賢吉)は、笙船は世間の評判ほど悪い人物ではないと言うのだが、それが信じられない新之助は同じくまだ若くて青いお庭番・助八(宮内洋)に笙船の動向を探らせたところ、抜け荷のどさくさで負傷した大店・十海屋の主人から大金を強請っていることなどが判明。今度は医療所まで押しかけていった新之助は、そこで笙船が貧乏人を無償で看てやっているのを知って驚く。

急患の手術を手伝ったり一緒に一杯やったりしているうちに、ズケズケと物を言うが人情味に溢れた笙船の人柄にほだされ始める新之助。ところが、十海屋の番頭(北町嘉朗)を殺したかどで笙船が捕縛されてしまう。笙船を逆恨みしている人足崩れの巴屋(藤岡重慶)と、町人をタダで看る彼が煙たくて仕方が無い将軍家お抱えのご典医・桜井玄石(南原宏治)が仕組んだワナだった。

すぐさま大岡越前(横内正)と接触を図った新之助は、奉行所で笙船に会う。こんな場所までしゃしゃり出てくることが可能な彼に怪訝な目を向けた笙船だったが、話を聞くうちにハタと正体に気付いた。・・・ようなのだが、それをおくびにも出さずに今の世の医の道について説くあたりがやたらと渋くカッコいい(←贔屓目)。

巴屋と玄石は黒頭巾(=新之助)とお庭番ズ(宮内&夏樹陽子)によって成敗された。そして笙船は、彼の説教にウットリきた(←推測)新之助=吉宗の命で作られることになった小石川養生所の主任医師として、今日も町人を怒鳴りつけつつ治療に勤しむのだった。

*口は悪いが腕が立つ人情派の医者を好演。長屋の少年を助手に使っているところも良い感じ(でもって少年の母親=後家さんともなにやら良い感じなのではないかと想像できるあたりも良い感じ)。「大岡越前」で志村喬さんが演じておられた呑舟先生も好人物だったが、若いマツケン上様をバックアップするベテラン、という役割を十二分に果たしていた天っちゃん47歳、良い意味で安定感があった。

*ただ、医者なので殺陣が拝めないのが物足りない。えらい勢いで飛んできた鎌を見たときは喜んだものだが、序盤で巴屋の面々(宮口二朗さんら)に絡まれた際、おっ、これからびしばしやってくれるのか?と思いきや新之助がすぐに助太刀に来たのが残念だった(まったく余計なお世話だよ新さん)。

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| TVドラマ(時代劇)::暴れん坊将軍 | 12:31 AM | comments (x) | trackback (x) |
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