2009,03,01, Sunday
「血の直訴状」(1970年・S45・4月13日OA)
#4で遭遇した、かつてのフィアンセ(=源さんの早世した長女)に激似の女性(宇津宮雅代)が忘れられないお奉行様(加藤剛)のため、人探しに精を出す辰(高橋元太郎)と源さん(大坂志郎)。件の女性を町で見かけ、辻駕籠に乗ったことを突き止めたは良いが、その駕籠かきの一人が何者かに斬殺され、もう一人は行方不明になった。 まさか、あの女性がそんな血生臭い事件と関わりがあるなんて……と信じられないお奉行様と源さんだが、事件を聞いた左門さま(天知茂)は「吟味の筋道に先入観は禁物だ」、もしかするとその女性が下手人かもしれぬぞ、と客観的かつクールな言葉を放って源さんをちょっとむくれさせる(女性を追う理由を口ごもる源さんにわざと食い下がる好奇心旺盛な左門さまがお茶目)。 幸いなことに、もう一人の駕籠かきはからくも逃げ帰ってきた。彼によれば下手人は女性の直前に乗せた若侍。駕籠に忘れた何か重大なものを探していたという。若侍の他にも怪しい浪人がやはり何かを探しに来たが、駕籠の中には何もなかった。やはり、行き当たるのは例の女性。ようやく分かったかの人の素性は、本当は見合いするはずだった娘――大番頭・吉本作左ヱ門の養女・雪絵であった。 実は雪絵は、若侍・勝之進(長谷川哲夫)が駕籠に忘れた血の直訴状を拾っていた。早速彼女に事情を聞きたいお奉行様だが、父(片岡千恵蔵)と作左ヱ門がつまらぬことで喧嘩して見合いが御破算になった経緯があり、なかなか事が運ばない。うーん困ったな、と悩む(お奉行様と)源さんに、いつでも切れ味鋭いカミソリ左門さまは、何をそんなに迷っている、娘の身に危険が迫ってからでは遅いぞ!と、吉本家を警護するよう的確なアドバイスをするのであった。 陰謀により切腹させられた父の汚名を晴らす大事な直訴状を落としたばかりか人まで斬ってしまったウッカリ侍・勝之進は、父の仇が雇った荒くれ者たちに襲われた。そこへたまたま通りがかった左門さまは数人のザコを十手だけでビシバシどつき、退散させる。彼が与力と知った勝之進はあろうことか恩人の左門さまに斬りかかろうとするが力尽き、親切な左門さまに奉行所に運ばれた。 …その後左門さまの懸命なる手当(←お奉行様談)の甲斐なく勝之進は死んでしまい、彼の姉さんも仇の一人と相討ちで果て、上様は直訴を取り上げることはなかったが目安箱を新たに設置、お奉行様は晴れて雪絵さんとラブラブに、という展開。 *このドラマにしては人が空しく死んでいく率が高く、一番の大物には(この話の時点では)手出しが出来ない、というもどかしさが残るシビアな結末。左門さまは事件の深部まで推測するいつも通りのキレ者だったものの、それと知らずに勝之進と遭遇した程度で正面から関わってくれなかったので残念だ。 *画像は「さすがはカミソリと言われるお方だ」と源さんに褒められて(これでも)ちょっと照れてる左門さま。
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| TVドラマ(時代劇)::大岡越前 | 12:36 AM | comments (x) | trackback (x) | |