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闇を斬れ#12
「この世の見納め生き観音」(1981年・S56・6月23日OA)

白馬に乗った侍は良い人とは限らない。奥祐筆(極秘文書を管理保管する役職)の奥平は権力をかさにきてやりたい放題、通り道の邪魔になったというだけで町娘らをばっさり斬り捨てる悪党だ。そこにたまたま出くわした隠密わんこ・火山、何しやがるんだテメエ!とばかりに吠え掛かり、奥平を馬から振り落とした。おいおい、いいのか伝書の途中なのに、と思っていたらやっぱり飼い主の新さん(天知茂)がとばっちりを受け、番屋へしょっぴかれてしまう。

ろくに取調べもされず即仕置き(=処刑)が決定となる新さん。移された別部屋には、ひとりの女(おきたさん:池波志乃)がいた。死を前にした罪人のこの世の見納めに身体を与える「改め婆」(「清め女」だったかな?)のおきたさん(池波さん、惜しげもなく上半身をさらしてくれます)、新さんの前でいつも通りご開帳〜♪とやり始めるがあっさり拒否される。据え膳喰わぬは男の恥だろ新さん。中尾彬が怖いのか? *池波さんは中尾氏の奥様です

「俺は死ぬ気はないからな」とクールに言い放って部屋を出た新さんは、荒縄でくくられて処刑場に連れ出されてからも悠長に構えている自信家ぶりで、そりゃあここで殺されるなんて誰も思っていないけど、おっとりしすぎ。 「よし、逃げてやる」顔色ひとつ変えずにそんな無茶を考える新さん。首に刀が迫ってるよ!「垣根は八尺(約2.4m)・・・飛べるか」いやムリだってば! まさに刀が振り落とされんとする瞬間に、役人に化けた安斉さん(山城新伍)と哲三(三浦浩一)が救いにきてくれて事なきを得たのだが、あの分じゃ「俺だって自力で逃げられたぜ」とか思ってそうだ。ウソでもいいからもすこし焦って欲しい。

おきたさんは家族を皆殺しにした下手人・豊次郎(片桐竜次)への復讐のために自ら志願して囚人の相手をしていることが判明。その豊次郎が今回のターゲット・奥平の用心棒でもあったことから、新さんは彼だけをわざと役人に捕えさせる。極刑が決まり、部屋に来た豊次郎を櫛で刺し殺し、自害するおきたさん。もっと他に方法は無かったのか、やりきれない哀しさが残った。そして雨の中、運び出されるふたりの遺体とすれ違い、そっと手を合わせる新さんでいつものエンディング。ゆるゆるソング&映像でちょっと癒される気がした(そろそろ慣れてきたのかな)。

*役人に捕まる直前、「(安全のため哲三に預けてある)火山、エサちゃんと貰ってるかなー」とか「(焼き魚を持ち上げ)お、こりゃちょっと焼きすぎたなー」などと独り言をいいつつ朝ごはんを食べてる所帯じみた新さんが可笑しかった。

*奥平をずばっと斬って、すちゃちゃちゃっと(ツルギさん@江戸の牙風に)カッコつけて刀を納めた後からいつものセリフ「・・・闇を、斬る!」と呟く新さん。それを言うなら「闇を、斬った!」だ(・・・というより別にそこまでして決めゼリフ口走らんでも)。

*いろんな意味で目立っていた隠密わんこ・火山。ラストの立ち回り時、新さんに命令されて天井から悪人に飛び掛かるハッスルぶり。

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| TVドラマ(時代劇)::闇を斬れ | 11:43 PM | comments (x) | trackback (x) |
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