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非情のライセンス 第2シリーズ #4
#56「兇悪の火」(1974年・S49・10月24日OA)

駅構内で目を光らせていた会田(シークレット度の高そうな靴も光っていた天知茂)以下特捜部の面々は、ゴミ箱の中の袋(=現金入り)をもぎ取った若い男・大崎を追いかけ逮捕した。大手石油会社に脅迫電話をかけ、金を強請りとろうとした容疑で右田刑事(左とん平)が尋問を担当するが、大崎は、強請りのタネである会社が紛失したという書類を持っていなかったためシラを切る。

大崎の女を洗ってはどうか、と馴染みの小料理屋の亭主(第1シリーズでは刑事だった多々良純さん)にアドバイスを受ける右田だが、やり手の会田が一足先に女のアパートを訪れていた。勤め先のクラブで石油会社の専務が落とした書類を拾い、大崎をけしかけたのは彼女・北川ミヤ(夏純子)だった。彼女は、この石油会社専務・尾山の汚職の事実を握った矢先に自殺させられた父の恨みを晴らそうとしていたのだ。

今書類を返せば火遊びということで片付けよう、そう持ちかけた会田を小悪魔のように翻弄したミヤは、問題の書類を義理の母に預け、固く口止めする。母が存命中の頃から父と関係のあった義母をミヤは憎悪しており、またそのことで引け目を感じている義母はミヤに対して強い態度がとれないでいた。

会田は大崎を釈放し、彼らの出方を探る。賢明なミヤが罠の匂いを嗅ぎ取り大崎に近づこうとしなかったせいで、彼はミヤの義母の所へ向かい金を無心した。金をくれなければミヤを殺して自分も死ぬと脅され彼女は苦悩する。

そして2度目の脅迫電話が、金額と場所を指定してきた――。

再びアパートでミヤに対峙する会田(留守中に勝手に上がり込みレコードまでかけてるあたりがやり手 ←いいのか)。義母を巻き込むことで暗い復讐心を満足させている彼女を会田は義母宅へ連れて行く。留守の家には、ミヤが持つ父母の写真と同じものが大切に仏壇に飾られていた。義母の想いを知り動揺を隠せないミヤ。

2度目の脅迫電話はミヤではなかった。指定場所へと向かった会田たち特捜部の前に現われたのは、ミヤの義母。証拠の書類を手にし、すべて自分の犯行だという彼女に会田は無言で手錠をかける。驚く特捜の面々(うわっこの人マジで非情だよ!と口には出さないが一様に心で叫んでいるような雰囲気)。それを見たミヤが叫んだ。「お母さんは関係ないわ・・・!」会田はこの言葉を待っていたのだった。

ミヤは留置所に送られた。そして問題の書類(灯油価が上がること必須の、外国との契約書)は、会田の手によって灰に帰した・・・(昭和ブルースは1番)

*数年後、明智センセイに呪いの言葉を吐き散らすことになる「白い人魚の美女」・夏純子さんが、ここでも思いつめたら自制のきかないヒロインを熱演していた。ドビュッシーの「ラ・メール(海)」をバックに繰り広げられる会田とのやりとりは圧巻。純白バニーガール姿もあり、会田をして「可愛いアクマ」と言わしめるまさに小悪魔的魅力の持ち主だった(でもってそんな発言後「バカモーン!はやく書類取り戻せ!」と矢部警視に怒鳴られる会田)。

*特捜部は自分の好きなように捜査を行なえるらしいのだが、会田に先を越されまくる右田刑事を見ているとものすごく効率の悪い捜査法に思える(というより会田がやり手すぎるのか)・・・せめて分担決めとこうよ!

*多々良さん扮する元・刑事の小料理屋(「吉田亭」)、最初は親娘で切り盛りする小さな店っぽかったのに、気が付くと板前(北町嘉朗さん)がいたり女の子がもう一人ふえたり、グレードアップしていた。のれんの形状が手錠になってるあたりの小技も効いている。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 04:11 PM | comments (x) | trackback (x) |
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