2006,10,31, Tuesday
#57「兇悪のカナリヤ」(1974年・S49・10月31日OA)
さきごろ電撃移籍した歌手・蘭れい子(池玲子)を自宅のTVでニコニコと鑑賞中の矢部警視(山村聡)。お父さん趣味悪いわねえ、清純歌手ってふれ込みだけど色々あるみたいよ彼女、との娘の言葉が信じられない矢部さん(が正直ちょっと信じられない。相手は女番長ですよ、先天性淫婦の池玲子さんですよ部長!)はネタ元の女性誌をチェック、彼女の移籍によってバックにいた東西の暴力団が一触即発状態なことを知り、かつて四課(=マル暴)だった会田(ゴシップより昼寝が好きらしい:天知茂)に双方を殲滅するよう指令を出した。 記者会見の場で、れい子がどちらにせよ暴力団の手中にある点をストレートに突く会田に、彼女は自ら接触してきた。「アタシを抱きたくない?」「来るものはこばまない主義だから当然遠慮なく」まんざらでもない会田の様子に、見返りとしてマネージャーの村井(世界のニナガワになる前の蜷川幸雄)を殺して欲しい、とれい子は続けた。 無言でベッドインしたものの、いざというとき電気を点け警察手帳をかざす会田(相当キザ)。 そんな折、彼女の秘密を握っていたらしいトップ屋(中田博久)が殺された。稼ぎ頭に抜けられた東の暴力団・東華会の秋川(高品格)は、関西の倉田組に乗り換えたマネージャーの村井に怒り心頭だったのだが、この殺人を機に密かに協力体制を敷いていた。実はれい子の身体は麻薬に侵されており、ヤクの供給源である双方の組織は密売ルートが表沙汰になるのを避けたかったのである。 れい子に接触した会田も狙われた。彼が帰宅して洗面所の蛇口を捻ったところでピストル片手にドアから忍び寄った刺客だが、棚に隠れた会田にあえなく捕まり水攻めに(なぜシャワーまで待てなかったのか刺客よ)。男の「もう遅い、れい子も消される」との言葉を受けてマンションに急行した会田は、彼女ではなく、顔見知りになっていた追っかけの青年・三郎(石田信之)の射殺体を目にした。 れい子の同級生である三郎は彼女の窮地を知り、なんとか助け出そうとしたのだが、あえなく命を落としてしまったのだ。れい子は更正施設に収容された。檻の中でもがき苦しみながら、三郎との思い出の子守歌だけを口ずさむれい子を、会田はただ見つめるばかりだった・・・(昭和ブルースは4番)。 *基本設定は「兇悪のささやき」(「兇悪の眼」収録)に沿っているが、原作よりれい子の悲劇に重点が置かれていた。れい子が飼っている駕籠の中のカナリヤと彼女自身との対比が印象的。
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 04:11 PM | comments (x) | trackback (x) | |