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『女番長(すけばん)ブルース 牝蜂の逆襲』
『女番長(すけばん)ブルース 牝蜂の逆襲』(1971年・S46)

敵対する組の組長をバラしてムショに5年いた、「人斬りマサ」こと土居政也(シガレット・ホルダー使いのおシャレさん:天知茂)が秋本組に戻ってきた。本来なら代貸(=組のナンバー2)として迎えたいところだが今はヤクザも金儲けが出来なきゃなあ、と浦島なオマエは足手まといだと言わんばかりの組長(安部徹)、ほれ兄貴、当座の10万ですぜと札入り封筒を地面にわざと投げ落とす現ナンバー2のやり手男・紺野(林彰太郎)を前にして土居の表情は陰鬱の度合いを増すのだが、昔の女・梨絵(弓恵子)が新しいパトロンを見つけてクラブを開いていること、小さな子供がいることを聞いてますます眉間の皺が深まる。

問題のクラブを訪れ、ピーター(本人)のナマ歌を聴きながらアンニュイに飲酒していると、オレ土居さんのこと尊敬してるんです!と若い衆が寄って来た。いつかは秋本組の傘下に入ることを夢見る、地元の愚連隊ボス・次郎の熱い眼差しに、土居は腕力だけで生きてきた武骨なかつての自分の姿を重ねて苦笑いを浮かべる。とそこへママ・梨絵がパトロンと姿を見せた。「子供は幾つだ」尋ねる土居に梨絵は「あなたの子じゃありません」とにべもない。

だが後日、幼い娘・和子を連れた梨絵は土居を遊園地へ誘った。パトロンの前では口に出来なかった謝りの言葉を紡ぐ彼女を土居は許し、和子に請われて束の間の『親娘』の交流を果たした。黒い丸首シャツ・白い背広&グラサンといういかにもなコワモテの土居(初対面)に「おじちゃん、メリーゴーランド乗せて~」とフレンドリーに駆け寄る和子ちゃん、さすがに血は争えないが、メリーゴーランドだけでなくモノレールやらコーヒーカップやらに和子ちゃん以上の笑顔で興じる土居のニヤケっぷりが微笑ましい(素になりすぎだよ天っちゃん)

腐れきった秋本組に嫌気がさし、また和子が自分の娘だと確信した土居は、カタギになって家族と暮らそうと決心する。それじゃ最後にオマエにしか出来ない仕事をやってくれ、500万やるからと組長が持ちかけてきたのは、製薬会社から覚せい剤の原料を人質(=社長のバカ息子)と交換に譲り受ける役目。指定された場所で無事ヤクを受け取った土居だが、待っていた秋本組組長たちに銃を突きつけられる。証拠隠滅のため、彼は最初から消される運命だったのだ。

「ホームドラマはお前の柄じゃねえと言ったはずだぜ」(←まったくだ)あざわらう組長に「お前らの薄汚ねえ任侠より、俺はホームドラマで結構だ!」とタンカを切り応戦する土居だったが、紺野と相討ちとなる。駆けつけた土居さん命の次郎(=いろいろあって秋本組から見放されヒモ状態)も組長にやられ、これでオレも男が立ちましたよ、と呟き絶命。「大馬鹿野郎だ、お前も俺も・・・」傍らで冷たくなった次郎に手を伸ばし、土居はこときれた。梨絵と和子の写真を血で染めながら・・・。

*トメ位置にクレジットされていた天っちゃん、ダンディーだが不器用なやーさんを映画の本筋とはなんら関係ないところで熱演。え?女番長はどこって? オートバイ○ックスはって? そんな話は知りません(おい)

*梨絵役の弓恵子さんは愛弟子・宮口二朗さん@ゾル大佐の奥さま(だったのかな、もう?)

*音楽は鏑木創@美女シリーズ

*カメラワークか本人の努力の賜物か、普段は作品の中であまり小粒さを感じさせないビッグな天っちゃんだが、今回はあるシーン(取引を終えて車を降りた途端、組の連中に囲まれるシーン)で迂闊にも(?)周りとの身長差を露呈していた(思わず「・・・小さっ!」と突っ込んでしまった←失礼)

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| 映画::東映 | 12:05 AM | comments (x) | trackback (x) |
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