2007,09,23, Sunday
#71「兇悪の十字架」(1975年・S50・2月6日OA)
少年院での刑期を終えた後、保護司・中村(名古屋章)のすすめで教会でオルガンを弾く傍ら印刷所に勤める坂崎圭子(竹下景子)。彼女は毎日、女優の滝川江理子(司美智子)に白紙を送りつけている。作曲家だった父を奪い、母をノイローゼに追い込んだ江里子を刺して少年院に送られた彼女の江理子への憎しみは、まだ癒えてはいないのだ。 これ以上圭子に間違いを犯させては可哀想、との矢部部長(山村聡←今回出番無し)の気持ちを汲んで彼女の監視を請け負う会田(天知茂)。手紙の郵送を阻止した結果、再び江理子襲撃を図ろうとした圭子を制した会田は、彼女の心を覆う深い闇を憂うが、そんな圭子を心配し、真摯に慕っている工員・高岡浩二(山下雄三)の存在に希望をみる。 だが、蒸発した圭子の父が冷たい亡骸となって発見されてまもなく、江理子がホテルの一室で殺害されるという事件が発生。一課は圭子を容疑者として取り調べるが、彼女は頑なに否認。会田はマネージャーの望月(穂積隆信)を締め上げて江理子の男性関係を掴み、その夜ホテルにいたという男を連行する。しかし現場に残されていた指紋は彼のものではなかった。 まさかと思いつつ会田はある品を一課に託す。――付いていた指紋は、現場と一致した。彼が渡したのは、高岡にもらった手作りの湯飲み。父の死で暗さを増した圭子を心配するあまり、江理子から謝罪の言葉を引き出そうとホテルに乗り込んだ高岡は、男をしゃぶり尽くす江理子の魔性を目の当たりにし、咄嗟に手をかけたのだった。 教会にいた高岡を連行する会田と一課の刑事たち。そこへ現れた圭子の目の前で、会田は高岡に手錠を掛けた。彼が乗せられた車に追いすがり地面に崩れ落ちた圭子を残し、会田は無言で歩み去る・・・(昭和ブルースは1番) *不幸な境遇の圭子。だがそこから抜け出せずにひたすら憎しみを引きずり続けた結果、高岡に殺人を犯させてしまうその業の深さが重く哀しい。またこの無常のラストに昭和ブルースの切ない調べが似合いすぎるのなんの。 *でも「彼女(=圭子)を見守ってやってほしい」と高岡にわざわざ頼みに行った会田のひと言も彼を殺人に駆り立てた動機のひとつだったりして。 *高岡役の山下雄三さんは必殺シリーズの名曲「荒野の果てに」を歌っている山下さんと同一人物のようだ。 *「ねっとりとした年増好みかと思ったら、案外部長もカワイ子ちゃん好みの出歯亀だな」矢部さんがいないと思って言いたいこと言ってる会田。坂井さん(宮口二郎)聞いてるぞ。
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:41 PM | comments (x) | trackback (x) | |