2007,10,20, Saturday
#77「兇悪の霧」(1975年・S50・3月20日OA)
右田(左とん平)・江沢(江波杏子)両刑事が夫婦に扮して(右田刑事、ノリノリ)密かにマークするのは隣家に住む1児の母・宮原俊子(榊ひろみ)。彼女の夫が、政界を牛耳る黒幕参謀・大上則之(殿山泰司)の3千万を持ち逃げして失踪したというタレこみがあったからだ。 そんな俊子にそれとなく近づくもう一人の人物は、大学の先輩・内山明子(クレジットでは内“田”:有沢正子)。会田(今回は黒幕専任:天知茂)の調べで彼女は大上の娘だと判明。大上がプッシュする政治家のライバルと目される大学教授・森京介(クレジットでは“亮”介:久松=スポック=保夫)を出馬させまいという陰謀の匂いを背後に感じ取った会田は、黒い霧を一掃するためにも出馬してほしいと森に談判する。 いっぽう俊子は明子から、いなくなった旦那の代わりに指導教官の森先生に出馬を止めるよう説得しなさい、でないとあのことバラしちゃうから!と脅迫を受けていた。俊子は助手時代、森と不倫関係にあったのだ(しかも息子の本当の父親は森先生)。仕方なく森を呼び出した俊子だが、何も言えずに戻ってきてしまう。そして明子に夫の3千万を返して関わりを避けようとするのだが、俊子と同じく森に恋心を抱いていた(スポック先生、モテモテ)明子のジェラシーの炎はますます燃え上がり、それなら怪文書をバラまくわよ!と息巻き始めた。実は俊子の夫に真相を伝えて金を渡し、タレ込み情報を特捜に流した張本人は明子だった。 ここで右田・江沢コンビが登場、明子に手錠を掛けた。しかしその隙になぜか俊子が逃走、沼で自殺を図ろうとしたところを江沢刑事に止められた。過去をなじる夫をはずみで殺してしまった揚句、何もかもが表沙汰になってしまったことに絶望する俊子に、愛することは苦しむことだ、と江沢刑事はかつての彼女の言葉を静かに返すのだった。 息子を実母に預けて車に乗り込んだ俊子。母を追いかけ叫ぶ息子を、事の顛末を会田から聞き駆け付けた森はしっかりと抱きしめた―(昭和ブルースは2番) *タイトルからすると、殿山さん扮する大上VS会田がメインかと思いきや、過去のアヤマチに苦しむ主婦の俊子VS嫉妬に燃える明子のストーリーが強烈で、会田の影が薄い回。おまけに森教授への言葉が(真相が分かったせいもあるだろうが)最初と最後で正反対なので違和感も残る。(「出馬してくれ!」と言われてその気になっていたら「こんなことになってるのにそれでも出馬するんかお前!」ってな調子で睨まれるセンセイが哀れだ)
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:31 PM | comments (x) | trackback (x) | |