2007,12,15, Saturday
#94「兇悪の時効」(1975年・S50・7月24日OA)
大富豪と結婚、巨額の富を得て凱旋帰国を果たした緑川俊恵(村田知栄子)の写真を見てひとりの娘が警察へ駆け込んだ。17年前、吉原の赤線「揚巻」で父を殺して指名手配された女主人・近藤まさ子に違いないというのだ。 まさ子=俊恵説を立証するため、会田(天知茂)らは当時店で働いていた売春婦たちの消息を調べるが、分かったのはただ一人・宏子(川口敦子)だけ。だが、過去をひた隠しにして優しい夫と子供に恵まれた今の幸せをつかんだ彼女は、証言するくらいなら死にます!と頑なに拒む。 殺人事件の時効が15年だなどと知っていて余裕を見せる俊恵はクロに違いないと睨んだ会田は再三宏子に証言を促す。精神的に追い詰められた宏子は昔の派手ないでたちで会田のマンションを訪れ、抱いてくれと詰め寄った。そうすれば死ぬ勇気が出るから、と――。しかしこの種の据え膳には絶対手をつけない会田の態度に我に返った彼女は、もし貴方の妻が昔売春婦だったとしたらどうする、貴方は許せるかしら、と涙ながらに訴える。しばらく言葉に窮していた会田は、夫婦の愛に賭けるしかないと諭した。 とはいえ、お前の内助の功のおかげで係長になった、と喜んでいる夫に真実は語れず、単身で俊恵の元へ乗り込んだ宏子は、彼女を銃で負傷させてしまう。やはり俊恵はまさ子だった。海外にいたために時効は成立しておらず、俊恵は逮捕された。そして会田は宏子に無念そうに言う。「あなたの時効は切れていたのに!」 実は17年前の殺人に彼女も加担しており、自分の罪まで暴露されることを恐れて俊恵を撃ってしまったのだ。なぜせめてご主人に打ち明けなかったのかと問い詰める会田の前で、宏子は泣き崩れた。 ――男には分からないわ。一度あんなところへ堕ちた女は、どんなに誠実な人でも心から信じられなくなっているのよ…! 宏子の夫は会社を辞めたという。特捜部の面々は思い思いの格好で、今回の事件がもたらしたほろ苦さを噛みしめていた―(昭和ブルースは4番) *夫や子供を一生騙し続けるんですか!と詰っていた会田だが、打ち明けたら必ずシコリになるであろう過去だけに、こればっかりは言いにくいだろうと思うなあ。
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:08 PM | comments (x) | trackback (x) | |