2008,09,06, Saturday
#170「生贄」(1977年・S52・2月10日OA)
逗子マリーナのマンションの1室で隣の棟を見張る会田(天知茂)と滝(篠ヒロコ)。見た途端殴りたくなるような大物(矢部さん談)の出入りをペアで探れ、ただし間違いは犯すなよ、との矢部部長(山村総)の指令を受けてのことだが、滝はいそいそとステーキ焼いたりワイン開けたりして張り切っている(後から矢部さんと会田間で請求書タライ回し)。 隣のマンションに現れたのは、会田の一番嫌いな人種、政財界の大物・三枝幸之助(幸田宗丸)だった。どうやらマンションに女を囲っているらしい。翌朝、三枝と一緒にいる女性を見て滝の顔色が変わった。高校時代の親友・風見綾子(土井かつえ)だったのだ。綾子はかつて三枝と繋がりのあった丸和物産で秘書をしており、開発部長の島崎(土屋嘉男)と不倫関係にあったが、収賄便宜の礼として高級マンション付きで三枝に差し出された、いわば“生贄”なのだという。 綾子が友人と知った上で捜査を続行させようとする矢部に反発しながらも、彼女とコンタクトを取った滝は、いつの日か島崎と一緒になれると信じて、母と弟妹たちを養うために三枝に囲われている綾子の悲哀を知り、彼女の線から丸和物産と三枝の癒着を明るみに出すことに躊躇する。 だが、社会悪(=三枝)を糾弾するためには手段を選らばぬ会田は、島崎-綾子-三枝の関係をブンヤに暴露させた。自分たちが姉の売春行為で養育されていたことを知った妹の真弓(高田ひとみ)は大学を辞め、弟の孝雄(川代家継)は、姉を弄んだ島崎への憎悪を募らせ、彼を待ち伏せ刺殺してしまった。 「私の苦労はなんだったの…!」愛人と家族の不幸に慟哭する綾子。非難の眼を会田に向ける滝。しかし会田は綾子に、人に後ろ指を指されるような安易な道を選んだのは君だと詰め寄った。「君はいったい、どんな苦労をしたというんだ。君は家族のために自分を犠牲にしたつもりだろうが、本当に犠牲になったのは君じゃない。君の家族だ!」 綾子は本庁ですべてを告白したのち、滝の隙をついて窓から身を躍らせた。保険金を家族に遺すため「足を滑らせたの…」と呟き事切れた綾子の思いを尊重し、会田は事故死として届け出るのだった(昭和ブルースは1番) *後味が微妙に悪いというか、久々に会田の非情さが目立った展開。綾子さんは綾子さんなりに頑張ってたと思うんだが、ワルい奴に囲われてのうのうと金儲けしてる、ってのが会田には許せなかったらしい。
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 10:08 PM | comments (x) | trackback (x) | |