2008,10,05, Sunday
#177「兇悪の門出・赤ちゃんの顔が見たい!」(1980年・S55・5月1日OA)
組織の秘密を握った内閣調報官を殺したヤクザ・宮地健一(成瀬正)は捜査一課に追われて逃走中、割り込んできた車に渡りに舟と乗り込んだはいいが、サングラスの強面ドライバーは誰あろう、特捜の会田(天知茂)であった。 宮地を馴染みの珈琲店「エスプリ」のママ・しずえ(野川由美子)のマンションに匿った会田(自分も居候中らしい)は、彼が内閣調報官から奪った、暴力団資金ルートの全容を記したマイクロフィルムを自分に預けるよう持ちかけるのだが、宮地は再び逃げ出し、別れた妻・幸子(宮下順子)にロッカーのキーを託したところで、組織のヒットマンの手で射殺されてしまった。 宮地の子供を宿している幸子は、生まれ来る我が子に不自由させまいとつい欲を出し、用心棒と称してストーカーのように付き纏う会田を捨て駒に、京浜連合会(=ヤクザ)の会長・大河原一作(南原宏治)からフィルムと引き換えに5000万をせしめようとした。ところが逆に会田ともども消されそうになり、大河原を盾に反撃した会田の機転で事なきを得た(ただし会田は左肩負傷)。 彼女の行いを咎めず、橘“係長”(渡辺文雄)の追及にも沈黙を守った会田に、幸子の心は揺れる。加えて矢部警視(山村聡)から、彼が1年前に身重の妻をヤクザに殺されたという話を聞き改心、会田にフィルムを託そうとロッカーに向かう幸子。だが大河原の手下が放った爆弾で怪我を負い、流産してしまう。 憤る会田はフィルムをダシに大河原と部下の唐沢(石橋雅史)を呼び出し、乱闘の末に彼らを逮捕、5000万を病床の幸子に渡してやるのだった(昭和ブルースは新録1番) *第2シリーズから3年、同キャストによるリメイク(「生きているヒーローたち-東映TVの30年」より)ということで登場した第3シリーズ。どうにも気恥ずかしいOPと長ったらしい副題から始まり、さほど重要味も無くひっくり返るパトカーとか、軽くてくどいBGMとかヘロヘロした新録ED曲とか、すべてに漂う80年代テイストのせいで、昭和の功罪を背負ってずっしり重かった以前のシリーズより兇悪の底が浅くなっている(それも味か)。 *ストーリーにしても、極端にいえば、会田をカッコよく見せるための状況作りがまずありき、で練られているような気がしないでもない。そんなお膳立てしなくても(あと、わざわざ会田だけこれでもかと映さなくても)十分カッコいいと思うんだけどなあ。嫁さんがヤクザに殺され云々、というベタな設定もなんだかなあだ(まあこの設定があるから幸子さんへの密着ガードの理由がつくわけだけども)。 *あと、役名が併記されないのが困りもの(今回は手持ちのシナリオから)。ちなみに橘さんの部下、横山刑事(北浦昭義)と佐々木刑事(北町嘉朗)はなぜか二人とも改名しているようだ(宇野刑事&柿内刑事)。 《下記は1980年5月1日 朝日新聞縮刷版『試写室』より引用》 男性ファン忘れるな *左肩を撃たれて白いポケチーフを紅く染めてる会田が南原さんに銃を突きつけてるシーンの写真つき。 *柱広告に「昭和ブルース 男の出番…… 再び、すべての悪に立ち向かうために――」というセリフ入りで兇悪な面相(たぶんOPの顔)で会田がいた。
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス3 | 09:53 PM | comments (x) | trackback (x) | |