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非情のライセンス 第1シリーズ #1
#1「兇悪の門」(1973年・S48・4月5日OA)

昭和47年12月、西井刑務所のむさくるしい8人部屋にひとりの男が収監された。会田健35歳(天知茂)、暴行傷害で懲役4か月。さっそく新入りいびりを仕掛けてきた笹崎(田中浩)をあっさりシメた彼、所内で見つけたシケモクを回し吸いしていた直後に、図ったように現れた看守の前で罪を独りで被って40日間の懲罰房送りになったことから、同部屋メンバーに完全に一目置かれる存在に。

そんな会田が刑期を終えようかという時期、古株の一人、浜井(仲谷昇)が声をかけてきた。ある女に電話を掛けてくれ、と彼が告げた番号こそ、会田が最も欲していたものだった。警視庁特捜部に属する彼は、覚せい剤のバイヤー・浜井から製造工場の在り処についての情報を探り出す任務を帯びて刑務所に潜入していたのである。

出所の日。「振り返るな。振り返るとまたここへ入ってくるようなことになる」との看守の言葉を「俺はなんでも振り返るのが癖でね」と流して平気で門を振り返った会田はすぐに上司の矢部警視(山村聡)に連絡を入れた。ねぎらいの言葉ひとつなく「そうか」のひとことで済ませた部長に、赤の他人(=事情を唯一知っていた看守部長:名古屋章)でも御苦労さまと言ってくれたのにぃ…!とムクれた彼は、腹いせ(?)に一課の橘(渡辺文雄)に「俺がいないから、その間警視庁の空気が別にきれいだったってわけでもないでしょ」と絡んでみたり、実弾入り拳銃を部長に向けてみたりしながらも、言われた通り女の居場所へ向かう。

白い門構えのこじゃれたマンションには、真山由比(加賀まりこ)がいた。伝言の駄賃に1千万を要求した会田を鼻であしらった彼女だが、ジャンキーであることを暴かれ、責めに屈して工場の所在地を吐く。連行しろとの矢部の言葉に逆らい、ヤクを打って一時的に生気を取り戻した由比を「君が助かるかどうかは、君自身の問題だ」と見逃してやる会田。それを知ってか知らずか、部長も深追いはしなかった。

――刑務所の門はいつかは出られる。
しかし、あの女にとって、あの門は――。


しばし由比の行く末を案じながら、河村志津(村松英子)のレストランで久々の血の滴るようなステーキにナイフを入れる会田であった(昭和ブルース初お披露目は、意外なことに4番

*原作(「兇悪の門」)通りの展開ながら、第3シリーズ最終話を考えると、「ああ〜、そんなことするからだよ!」といろいろツッコミたくなること必定な第1話。結局、「門」を甘く見ちゃいかんってことだ。

*同部屋仲間に財津一郎さんの姿も。変な運動してる得体のしれない人だった。しかし顔つきだけみてると兇悪犯ばっかりの部屋で怖かったなあ。

*第1シリーズの特捜メンバー(吉田刑事=多々良純、鈴木刑事=梅津栄、岩田刑事=岩城力也、四方刑事=葉山良二、坂井刑事=宮口二朗)勢揃い。セリフは岩田さんしか無かったが、それぞれがマイペースに仕事していて面白い。

*ちなみに会田が特捜に来たのは、「組織暴力壊滅頂上作戦」とやらでヤーさん連中20名を死傷させ(うち15名を射殺)、過剰防衛の疑いでクビになりそうになって矢部さんに拾われたのがきっかけらしい。

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 12:04 AM | comments (x) | trackback (x) |
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