2009,06,03, Wednesday
#10「兇悪の骨」(1973年・S48・6月7日OA)
仕事の待ち合わせ相手が30分以上経っても現れないのでちょっとイライラ気味の会田(天知茂)。ったく、どんな野郎だか知らないが…!とぶーたれていたら現れたのは女性(赤座美代子)だったことからコロッと態度を変えるも、自分はあくまで繋ぎ役だと彼女はつれない。 彼女の案内でようやく会えた麻薬Gメンの乃木(西沢利明)は、近頃ヤクの出回りが少なくなっている横浜近辺で今度大掛かりな取り引きがあるのだと言った。早速暴力団事務所そばのアパートで張り込みを開始した二人の前に麻薬ブローカーが現れた。だが肝心なところで乃木がトイレに籠ったまま出てこず、仕方なく会田一人で尾行するのだが、男は別の連中に連れ去られてしまった揚句に翌日死体になっていた。 こんな奴とはやってられんと変装(いけてない労働者風)して単身で調査を進めた会田は、取引の割符の半分を見事にゲット。部長(山村聡)の前で得意げに自慢して帰宅しようとした彼を、冒頭の女性Gメン・麻鳥マスミが待っていた。「いやよ、今日はひとりにしては……」彼女の色っぽい誘いに堂々と応じてベッドインした会田だが、家に帰ると部屋は割符狙いの何者かに酷く荒らされていた。 乃木に割符を渡し、外国船の船長との取引に同行する会田。ところが船長が持参したスーツケースには、麻薬(隠語でシュガー)ではなく本物のシュガーが入っていた。乃木は意気消沈し、ケースを持ってすごすご帰宅するが、実はすべてヤクザの矢場(日尾孝司)との共謀であり、二重底のケースの中には麻薬がどっさり。最後にGメンとしてのプライドを燃やそうとした乃木だが、すでに麻薬に侵されていた身体は言う事を効かない。と、そこへ会田が飛び込んできて矢場と2人の手下たちと格闘、だが肉弾戦に苦戦している隙に乃木は矢場に刺されてしまった。 「麻薬捜査官の“獅子身中の虫”を探し出せ」それが今回の会田の任務だった。麻薬の末期症状および負傷で、虫=乃木は、会田に看取られながら明け方に息を引き取った。病院の前にはマスミがいた。乃木に家探しさせるためにマスミが自分とベッドを共にしたことに会田は気付いていた。そして、特捜部に情報をタレ込んだのは彼女だということも。行ってやらないのか、との問いに「死んだの、あの人……」そう呟いただけで踵を返す彼女を、会田はただ黙って見つめるしかなかった(昭和ブルースは4番) *麻薬で恋人を失い、今また上司兼恋人を同じ麻薬で失う羽目になったマスミの悲哀がにじみ出る回。第3シリーズ#12「兇悪の骨・肌を売る捜査官」よりも原作(「兇悪の骨」)に近いハードボイルドなテイストが印象的だった。…まあ、第3のアレは乃木とマスミよりも兇悪のモチ肌だけが異様に印象に残るサービス過剰な話ではあったが。 *会田、10話目にして初のベッドシーン。雰囲気は第2シリーズ#57「兇悪の壁」チック。 *割符の件で矢部さんに褒められて「俺の頭はダテにここに乗ってるわけじゃないんでね」と得意がってる会田がかわいらしい。 *取引のとき、白い粉の袋を口で豪快に噛み破って中身なめてる会田、本物だったらえらいことじゃないのか?
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:26 PM | comments (x) | trackback (x) | |