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非情のライセンス 第1シリーズ #41
#41「兇悪の試験地獄」(1974年・S49・1月10日OA)

主婦の吉永文子(福田公子)にはこの春東大を受験する息子がおり、夫の昭三(三谷昇)は息子につきっきりで文子を家政婦扱い。そんな彼女が、銀行から下ろしたての200万をひったくられた。だがさしたる手掛かりが無く、坂井刑事(ヒゲの宮口二朗)と鈴木刑事(梅津栄)が両人とも失敗。そこで「女に甘い会田さんとしては、一丁やってみますかな」とヤル気を見せた会田(天知茂)が捜査に乗り出すことに。

文子が大金を下ろしたのは、高校時代からの友人で麻雀仲間のひとり・松原桐子(磯野千鳥)のダイヤを買い取るためだったと鈴木から聞いた会田はまず桐子に接触。「警視庁って事件の解決が難しくなると、最後はハンサムな人よこすのかしら」警視庁きってのマダムキラーにさっそくヨロメく様子をみせた桐子は、株で大損した穴埋めにダイヤを文子に買ってもらうつもりだった、そのダイヤは宝石商に預けてあるのだと証言。

その宝石商・中野涼子(浜田ゆう子)も文子らの友人で、連絡網により会田の到着を待っていた。「あなたになら、言いたくないことまで言ってもいいわよ」ここでもアタックをかけられる会田だが、件のダイヤの指輪が桐子宅でさりげなく調べた彼女のサイズと全く違うことを発見、このダイヤは偽物ですねと言い放ち、澄まし顔で帰った。

「バレちゃったわよ」「でもすごいハンサム刑事
「刑事はみんな鬼のような顔かと思ってたら、すっごいハンサムねえ
あんな素敵な男、ホストクラブにだっていやしないわよ

どうやら桐子と涼子は、文子と申し合わせて嘘をついていたらしい。それがバレても悪びれもせず、電話口でさっき来たハンサムについて喋くるふたりを他所に、会田が次に向かったのは、最後の麻雀仲間・カメラマンの安西レオ(万里昌代)のスタジオ。自分だけは関係が無いと言うレオには別段なにも問わず、(会田萌え奥様ズの要望通り)写真だけ撮られてやったように見せかけた会田だが、その前に暗室で何やら証拠フィルムをこっそりちょん切っていた。

特捜部屋に戻り、レオの写真集の69ページ目の男がホシだと断言する会田。彼はホストの加賀秀三(倉石功)、ひったくりの現場に居合わせて文子を助けた男である。事情が呑み込めない矢部警視(山村聡)(と我々視聴者)に会田が答える前に、彼が出向かなかったことで御機嫌を損ねたらしい当の被害者(=文子)から電話がかかってきた。なんでも“犯人”から脅迫電話があったのだという。筋の通らない話だが、ピンときた会田は文子に付き合うことにする。

指定場所で、会田の一瞬の隙をついて犯人の置手紙が表れた。会田の存在がばれているらしい。あなたと一緒にいて犯人をもっと怒らせちゃいましょう、と食事やダンスやモーテルにまで誘う文子と行動を共にする会田。そのころ、ホストクラブに潜入していた坂井&鈴木両刑事はおばちゃんに迫られながらも、加賀がレオのスタジオへ向かったのを尾行、彼らの取引(写真のネガを100万で売買)がネガをぱくった誰か(=会田)のおかげでおじゃんになり、加賀がレオの首を絞めようとしたところを現行犯で押さえた。

加賀など知らないと言い張っていた文子だが、会田が何もかも知っているのを見てとりついに折れた。夫に顧みられない寂しさからホストクラブで知り合った彼と情事を繰り返すうちに金をせびられるようになり、ついに夫名義の金を下ろす羽目になった文子は、夫の追及を恐れるあまり、最初から彼女を陥れるつもりだったレオに唆されて大掛かりな芝居を打ったのだった。

加賀は殺人未遂で起訴できるから、小さな罪は問わない――文子の件を丸く収めようとする特捜部だが、妻の告白を聞いた夫は、会田とモーテルへしけこんだ一件も激しく非難。だがぬかりのない会田はビデオを用意し、誘う文子を「俺は(旦那の)代用品になるほど安物の男じゃない」などと突っぱねて何ごとも無かった様子を映し出してみせた。

後日、ネクタイを持って訪れた彼女に礼を言いながら、件の写真のネガ(文子と加賀のラブラブ証拠写真)そして置手紙(実は文子のイタズラ)を目の前で廃棄してくれた会田に、文子の目から感謝の涙が溢れた(昭和ブルース1番のイントロとともに矢部さん登場、「女に甘い会田さんが、御婦人を泣かしちゃ困るじゃないか」と笑って一件落着。新しいネクタイをつけて文子を送ってやる会田でエンド)

*人が死なない話というのもたまには良いものである。っていうか、どれだけ奥様連中にモテるんだ会田。でもレオが撮った写真はちょっと欲しいと思った(これ

*そんな大変な思いして東大入りたいもんですかねえ、という鈴木さんを受けた会田の珍しい冗談:「ま、あんたらみたいに東大に入ったことのない奴には分からないよ」鈴木「会田さん、東大でたんですか!?」「当たり前だ、犬吠埼のな」うしろで東大出の矢部さんが笑ってるよ会田。

*ちなみに会田が東大に入ったのは、東大紛争のゲバ事件のときに駆り出された時らしい。(1968年あたりか…でも四課なのに?それとも既に特捜入りしていたのか?)

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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス1 | 11:17 PM | comments (x) | trackback (x) |
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