-- トラウマの天知茂 --

音源リスト(EP):70年代編

昭和ブルース/「非情のライセンス」テーマ
DR 1767・ポリドール
  • A:昭和ブルース 作詞:山上路夫,作曲:佐藤勝,編曲:伊部晴美
  • B:「非情のライセンス」テーマ 作曲:渡辺岳夫

A面は代表的主演ドラマ「非情のライセンス」ED曲。4年前にヒットしたブルーベル・シンガーズの若者向けフォーク・ソングのカバーだという事実が霞むほど、見事に“会田刑事”としての哀愁を込めて歌い切った最大のヒット作である(というよりこの曲しか持ち歌がないと思っている人もいるのではないだろうか←かつての私)。B面はOPテーマのロングバージョン。各シリーズ毎にジャケットやB面を変えてリリースされているが、A面はすべて同じ音源のようだ。


人生/ひとりのふたり -- 1973・S48・42歳 --
人生/ひとりのふたり
DR 1804・ポリドール
  • A:人生 作詞:吉田旺,作曲:中村泰士,編曲:高田弘
  • B:ひとりのふたり 作詞:天知茂,作曲:渡辺岳夫,編曲:渡辺岳夫

A面は「喝采」(ちあきなおみ)などを生んだ売れっ子コンビの作品。肩を寄せ合って生きてさえいけばいつかは幸せがくるさ、と苦楽を分け合う二人の愛をしみじみと歌い上げている。対照的にB面の主題は別れてしまった“独り(ぼっち)のふたり”の生き様。「夜」という言葉を紡ぐときの艶っぽさを堪能できる作品だ。なんだかよく分からないがロマンチックなジャケットも印象的。


昭和ブルース/酒-- 1974・S49・43歳 --
昭和ブルース/酒
DR 1881・ポリドール
  • A:昭和ブルース 作詞:山上路夫,作曲:佐藤勝,編曲:伊部晴美
  • B:酒 作詞:山田孝雄,作曲:中山大三郎,編曲:高田弘

「非情のライセンス」第2シリーズを機にリリースされた1枚。A面は以前と同じ音源だが、B面は行きずりの男と女の愛がモノローグ付きで語られる、ドラマのワンシーンのようなしみじみした味が感じられる1曲だ(非ライの「挿入歌」とあるが、どこで使われていたのかは不明。情報求む!)。


非情の街/気にかかる-- 1974・S49・43歳 --
非情の街/気にかかる
DR 1937・ポリドール
  • A:非情の街 作詞:岡たくみ・山田孝雄,作曲:渡辺岳夫,編曲:松山祐士
  • B:気にかかる 作詞:天知茂,作曲:高島忠夫,編曲:伊部晴美

A面は「非情のライセンス」第2シリーズ#52〜#63までOPに流れた、メイン・テーマに歌詞がついたもの。ドラマに合った実に非情でニヒルな歌詞だが、少しばかり歌い辛そうなところにハラハラしてしまい、迫力という面でのツカミは微妙である。B面は新東宝時代の同期生・高島さんとのコラボ。必要以上に色っぽいビブラートで迫ってくれる。


ちえこ/酔いどれブルース -- 1976・S51・45歳 --
ちえこ/酔いどれブルース
DR 6026・ポリドール
  • A:ちえこ 作詞:武田鉄矢,作曲:中山大三郎,編曲:若草恵
  • B:酔いどれブルース 作詞:中原槙子,作曲:中山大三郎,編曲:若草恵

「贈る言葉」以前の海援隊(武田さん)の曲を主にカバーしたセカンド・アルバムからのシングル・カット。ニューミュージックもなかなかサマになっている。B面での珍しくパーッと明るい“酔いどれ”ぶりは、本人がまったくの下戸であることを考えるとたいへん微笑ましい。


流れの雲に/愛のテーマ -- 1977・S52・46歳 --
流れの雲に/愛のテーマ
DR 6146・ポリドール
  • A:流れの雲に 作詞:川内康範,作曲:渡久地政信,編曲:伊部晴美
  • B:愛のテーマ 作曲:伊部晴美,編曲:伊部晴美

A面は主演ドラマ「野望」のED曲。演歌である。ワルツである。ノッている。B面は本編にこれでもかと流れるインストゥルメンタルのテーマ曲。伊部さんの哀愁メロディが堪能できる。思わずジャケ買いしたくなる(実際してしまった)スチール写真がてんこもりなジャケットもポイント高し。


飲んでひとり/さよならなんて-- 1978・S53・47歳 --
飲んでひとり/さよならなんて
DR 6229・ポリドール
  • A:飲んでひとり 作詞:四方章人・永山和雄,作曲:四方章人,編曲:若草恵
  • B:さよならなんて 作詞:天知茂,作曲:四方章人,編曲:馬飼野俊一

切ない系ニューミュージックの2曲。柔らかなメロディと“淋しいグラス・吸いかけの煙草・お前の顔・・・今夜もひとり・・・”という中間のモノローグが印象的なA面、君が泣いてしまうからさよならなんて云わないさ、と別れの朝を前にして優しくも哀しい言葉を紡ぐB面、どちらも静かに語りかけてくるような歌声が胸を打つ。


男のポケット/枯葉の予感-- 1978・S53・47歳 --
男のポケット/枯葉の予感
DR 6266・ポリドール
  • A:男のポケット 作詞:高田ひろお,作曲:壇一郎,編曲:伊部晴美
  • B:枯葉の予感 作詞:天知茂・高田ひろお,作曲:四方章人,編曲:若草恵

A面は通算3度目の主演ドラマ「孤独の賭け」のOP曲らしい(←未見なので詳細は不明)。野心家・千種(=主人公)のギラギラ感はどこへやら、先のシングル同様に、どこか達観した優しさが滲み出ている穏やかな作品である。孤独をひしひし感じる淋しげな歌詞と切ないメロディが調和したB面も佳作。


うしろ姿/男のグラス -- 1978・S53・47歳 --
うしろ姿/男のグラス
DR 6297・ポリドール
  • A:うしろ姿 作詞:天知茂,作曲:遠藤実,編曲:京建輔
  • B:男のグラス 作詞:いではく,作曲:遠藤実,編曲:斉藤恒夫

A面は簡潔な歌詞&モノローグに哀愁のメロディが付いたスタンダードな演歌。B面は耐えてる背中を持つ男が飲む酒のグラスの底には人生が詰まっている、という内容のこれまた演歌。翌年リリースされた30周年記念LPでは「グラスの底」というタイトルに変更された。


ふたりづれ/淋しがりや -- 1979・S54・48歳 --
ふたりづれ/淋しがりや
DR 6366・ポリドール
  • A:ふたりづれ 作詞:天知茂,作曲:遠藤実,編曲:伊部晴美
  • B:淋しがりや 作詞:天知茂,作曲:遠藤実,編曲:京建輔

A面は痛快主演時代劇「江戸の牙」のED曲。大量殺戮(!)の後で爽やかに散歩に出かける剣さん(主人公)のED映像にぴったりの明るめの演歌である。B面は淋しがりやの女を慰める、恐らく自分も淋しがりやな男の心情を綴ったライトな演歌。このシングルでしか聞けないレア曲でもある。


過去/THE FANG -- 1979・S54・48歳 --
過去/THE FANG
DR 6371・ポリドール
  • A:過去 作詞:清水堅三,作曲:中山大三郎,編曲:伊部晴美
  • B:THE FANG 作曲:伊部晴美,編曲:伊部晴美

「江戸の牙」最終話のラストにたった1度流れたきりのA面は、ファースト・アルバムに収録されていたもののセルフカバー。5年という歳月の重さ(といいたいところだが、むしろ力みが抜けたことによる軽さ)と渋さが加わっていて味わい深い。 B面は女性コーラスが入った後期の戦闘テーマ曲。ジャケット表紙はもとより裏面がこれまたカッコいいので、剣さんファンは必携だ。


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