SIDE A (タイトル 作詞/作曲/編曲) | SIDE B (タイトル 作詞/作曲/編曲) |
1.昭和ブルース 山上路夫/佐藤勝/伊部晴美 | 1.非情のライセンス 渡辺岳夫(曲) |
2.酒 山田孝雄/中山大三郎/高田弘 | 2.過去 清水堅三/中山大三郎/高田弘 |
3.気にかかる 天知茂/高島忠夫/伊部晴美 | 3.ゴンドラの唄 吉井勇/中山晋平/伊部晴美 |
4.ひとりのふたり 天知茂/渡辺岳夫/同 | 4.人生 吉田旺/中村泰士/高田弘 |
5.あいつ 平岡精二/同/伊部晴美 | 5.北帰行 宇田博/同/伊部晴美 |
6.俺の足跡 中山大三郎/同/高田弘 | 6.影 岩城かずみ/真木淑夫/伊部晴美 |
7.粋な別れ 浜口庫之助/同/伊部晴美 |
合間に会田刑事風の押し殺した渋い声でその歌に応じたナレーションが入る、「非情のライセンス」仕様のファーストLP。
言わずもがなの名曲A-1、ドラマ挿入歌(なのかはまだ未確認。第1シリーズか?)A-2、新東宝同期の高島さんとの友情コラボA-3、それから人生の悲喜こもごもを会田が歌う、という風情のA-4とB-4はそれぞれEP収録版と同じ。
B-1は同ドラマのテーマ曲(ロングver.)だが、このLP版にのみ『俺は警視庁特捜部の会田刑事/血に飢えた狼のように犯罪に挑む/人は言う 空しくないか 悲しくないかと/俺は背を向ける/拳銃の感触が俺を励ます/今日も、生きてやる/俺の正義のために……!』という激渋ナレーションが曲中に挿入されている(OPにも、走り去る車の音や拳銃音などが入っていて臨場感抜群)。おまけにB-7のラストには、予告編のような『また、お会いしましょう』なんて台詞があり、それだけでも会田ファンなら入手する価値は十分ある。
A-5(S33年のヒット歌謡)とA-6はほんのり和み系。大正懐メロB-3、日活スタア(小林旭、石原裕次郎)のヒット曲をカバーしたB-5とB-7なども、自分流に伸び伸びと歌い上げている。
B-2は後年「江戸の牙」最終回に挿入される同名曲(EP収録)に比べると、歌い方が僅かに硬くて会田調。B-6はS41年の主演映画「黒幕」の主題歌だが、映画本編に流れていたものよりもアップテンポで調子良く歌っているのが面白い。
第2シリーズ途中でOPに採用された「非情の街」が収録されていないのが唯一残念なものの、自筆の歌詞カード(高島ボンと談笑するスナップなどあり)、そしてその裏(表?)には全身ポスターと、サービス精神旺盛な一枚である。
SIDE A (タイトル 作詞/作曲/編曲) | SIDE B (タイトル 作詞/作曲/編曲) |
1.ちえこ 武田鉄矢/中山大三郎/若草恵 | 1.男戯(ざ)れ唄 中原槙子/千葉和臣/京建輔 |
2.恋挽歌 武田鉄矢/千葉和臣/京建輔 | 2.酔いどれブルース 中原槙子/中山大三郎/若草恵 |
3.わかれ 新井奈菜/中山大三郎/若草恵 | 3.漂泊(さすらい)浪漫 武田鉄矢/千葉和臣/京建輔 |
4.星のエレジー 武田鉄矢/千葉和臣/京建輔 | 4.青春 武田鉄矢/中山大三郎/若草恵 |
5.新宿情話 武田鉄矢/中牟田俊男/京建輔 | 5.花いちもんめ 武田鉄矢/千葉和臣/京建輔 |
6.夜明けはまだ遠い 坂本玖美子/千葉和臣/京建輔 |
「母に捧げるバラード」と「贈る言葉」の谷間、いわゆる冬の時代の海援隊の曲を主にカバーしたセカンドアルバム。なぜ海援隊だったのか、は不明なものの、普段着に近い一面を見せてくれる(実際、ジャケット写真もかなりカジュアルだ)。
天知茂とフォーク・ソングの意外なマッチングの妙は「昭和ブルース」の成功で実証済みだが、今回も、若者世代のやるせない心の呟きを綴ったであろう歌の数々に、年輪を重ねた男の持つ哀愁と優しさが程良くブレンドされていて味わい深い。A面は人恋しくなる夕暮れ〜夜の雰囲気、B面は夜も更けてちょっと陽気に盛り上がり、甘酸っぱい昔を思い出したりしているうちにやがて夜明けが…という流れがあって、気がつけば全編通して聴き入ってしまう。
メロウなA-1、酔っ払いのカラ元気が微笑ましいB-2はEP収録版と同じ。A-2はサビで語尾を少々ぞんざいに区切るのが面白い。A-3では、別離に泣く女性を艶のある低音で諭してみせる。郷愁を誘うA-4及びB-4は、彼が歌うと甘さ一辺倒ではなくなるあたりが味か。A-5は珍しく夜の女性の視点で。拍子木で始まるB-1は、声の掠れ具合がなんとも艶っぽく癖になる。B-3はB-2を受ける形で、人生の辛苦を酒に紛らせる有様をからっと歌う。B-5は童謡と掛けてかつての恋人を思い出す歌。ラストB-6は「非情のライセンス」第2シリーズ#122「母恋し」で男女デュオが爽やかに歌っていた曲と同じだが、哀切さが加わった。
前回、歌詞カードの裏だと壁に貼れないワ、と不評をかった(はず)のポスターが別紙になっていた。とはいえ歌詞カードにもやっぱり全身ポスターが付いているあたりが嬉しいが、見開きではない分、なんだかダーツの的みたいで「いったいどうしろと」感が漂うサービスでもある。
SIDE A (タイトル 作詞/作曲/編曲) | SIDE B (タイトル 作詞/作曲/編曲) |
1.流れの雲に 川内康範/渡久地政信/伊部晴美 | 1.くちなしの花 水木かおる/遠藤実/京建輔 |
2.昭和ブルース 山上路夫/佐藤勝/伊部晴美 | 2.夜霧よ今夜もありがとう 浜口庫之助/浜口庫之助/京建輔 |
3.非情の街 岡たくみ・山田孝雄/渡辺岳夫/松山祐士 | 3.夜霧のブルース 島田磬也/大久保徳二郎/京建輔 |
4.酔いどれブルース 中原槙子/中山大三郎/若草恵 | 4.裏町人生 島田磬也/阿部武雄/京建輔 |
5.夜明けはまだ遠い 坂本玖美子/千葉和臣/京建輔 | 5.船頭小唄 野口雨情/中山晋平/京建輔 |
6.ちえこ 武田鉄矢/中山大三郎/若草恵 | 6.人生劇場 佐藤惣之助/古賀政男/京建輔 |
A面はドラマ「野望」の主題歌(A-1)および先の2枚のベスト盤的な選曲で、B面はお気に入り演歌を歌ってみました、な世界。
「非情のライセンス」第2シリーズの僅かな時期(#52〜#63)しか聞けないA-3がLP初収録。ドラマの流れすると、OP曲だったA-3の後でA-2がきた方がしっくりくるように思うのだが、十八番のA-2はショー等でもたいてい早めに歌われるようである。A-4、A-5、A-6はセカンドLPからのチョイス。
B-1は渡哲也、B-2は石原裕次郎、そしてB-3はディック・ミネのヒット曲。どれも器用に歌いこなしているものの、醸し出されるそこはかとない“軽さ”(後年になるにつれて顕著になる)は好みが分かれるところかもしれない。B-4以降は大正〜昭和10年代の懐メロ。特にB-5は1974年の歌番組でも一番好きな曲に挙げていただけあって、実に渋く切なく歌い上げている。
今回のおまけはサイン入りカレンダー。時期的に顔が氏家@「野望」仕様なので、じっと眺めるのはちと怖かったのではないだろうか。