好漢・天知茂シアター
2008.7.26--27

Project A(プロジェクト アマチ)実行委員会では、きたる7月26日(土)・27日(日)の2日間、「好漢・天知茂シアター」と銘打ち、新東宝最後期の主演作『南郷次郎探偵帳 影なき殺人者』のフィルム上映、さらに、ご命日(没後23周年)にあたる7月27日には、天知さんの右腕的存在として行動を共にされた俳優の北町嘉朗さんをお招きしてのトークイベントを開催いたします。どうぞ奮ってご参加下さい。


上映会チラシ(PDFファイル)はこちら→ flyer.pdf


【上映スケジュール・料金】
上映日 タイムテーブル 料金
2008年7月26日(土) 20:00〜21:30
  『南郷次郎探偵帳 影なき殺人者』上映
1500円(1ドリンク付)
2008年7月27日(日) 14:00〜15:30
  『南郷次郎探偵帳 影なき殺人者』上映
15:45〜17:00
  トークイベント ゲスト:北町嘉朗さん
17:30〜19:30
  懇親会(映画館併設バーにて ※2)
3500円 (※1)
   ※1: 映画上映+トークイベントの料金です。
   ※2: 懇親会ご参加希望の方は、別途料金(飲み放題込:2500円)をご用意下さい。


上映作品

南郷次郎探偵帳 影なき殺人者

1961年・新東宝作品

監督:石川義寛
脚本:石川義寛・宮川一郎
原作:島田一男
音楽:渡辺宙明
出演:天知茂 水原ユカ 三原葉子


【解説】 島田一男の“南郷弁護士もの”を映画化した、新東宝最後期の作品。シリーズ化を考慮に入れて製作されたが、同年の会社倒産により本編のみとなってしまった。監督・脚色は『怒号する巨弾』『恋愛ズバリ講座』の石川義寛。もう一人の脚色及び企画(笠根壮介名義)は、『黒線地帯』『地獄』、そしてTVドラマ・舞台で数多くの天知出演作の脚本を手がけた宮川一郎。音楽は『東海道四谷怪談』『黄線地帯』、後にアニメ・特撮分野でも名を馳せる渡辺宙明が担当している。共演は水原ユカ、三原葉子、坂本武、細川俊夫ら。天知主演デビュー作『恐怖のカービン銃』以来、様々な愛の形を体現してきた天知&三原のゴールデン・カップルのロマンスも見逃せない。

【ストーリー】 出所直後に麻薬王が殺され、彼の情婦からの切羽詰った電話を受けた弁護士南郷次郎は、ホテルで彼女の死体を発見した。手がかりを追って箱根・芦ノ湖に向かった南郷に突如襲い掛かるモーターボート。彼の危機を救ったのは謎めいた美女だった。暗躍する秘密組織を探る南郷と助手の京子に次々と迫る魔手。黒幕はいったい誰か? 体当たりで事件に挑む青年弁護士の手腕が冴える!

天知茂as南郷次郎 南郷先生と板チョウさん
【登場人物】
南郷次郎:天知茂
「生娘と人妻には手を出さない」がポリシーの、限りなく探偵に近い熱血事件弁護士。こじんまりしたアパート2階の事務所に寝泊りする赤貧生活で、秘書の京子ちゃんのお給料が滞っている。板チョウさんや捜査一課との関係は良好で、先を越しても彼らからのバックアップは万全である。
金丸京子:水原ユカ
南郷事務所の秘書。南郷先生に子供扱いされていることがちょっと気に入らないらしい(原作では南郷の先輩弁護士の忘れ形見という設定)。物怖じせずに事件にぶつかっていく、実にキュートで機転の利く女の子。
板津刑事:坂本武
捜査一課の有能な部長刑事。通称“板チョウ”さん。歳若い南郷先生に丁寧語を使い優しく見守る叔父さん的存在。
宝城寺竜子:三原葉子
芦ノ湖で南郷を助けた謎のグラマー美女。名前を告げずに去った彼女と南郷は、意外な場所で再会する。彼女は果たして敵か味方か?

【南郷弁護士シリーズ】 「事件記者」などで著名な島田一男の原作「屍蝋の市場」は、事件弁護士・南郷次郎シリーズ初期の作品。どこか乱歩を彷彿させる異空間と畳み掛けるようなテンポで読み手を惹きつける。ちなみに第1作「冥土の顔役」は1957年に鶴田浩二主演で映画化されており、本作の3年後、1964年には同じく「屍蝋…」を大映が田宮二郎主演で『黒の挑戦者』というカラー作品に仕上げている。事件の鍵を握る美女・竜子役に、新東宝時代は三原同様天知の相手役が多かった久保菜穂子を配しているのが対比の上でおもしろい。


北町嘉朗さん画像(禁複製)

トークイベント

ゲスト:北町嘉朗さん(俳優)

天知さんのご命日(没後23周年)を偲び、新東宝時代の天知さんとの出会いから
プロダクション設立の経緯、映画・テレビ・舞台などでご活躍されたお話を伺います。


【北町嘉朗さんプロフィール】
1931年(昭和6年)8月1日生まれ。大学在学中に十三人座を結成、演劇活動を始める。昭和29年、八田元夫演出研究所での演劇公演の際に殺陣の指導に来た天知茂と出会う。
その後、昭和41年に天知茂設立のA&Aプロダクション結成に参加、それ以降昭和60年に天知茂が没するまで映画、舞台、テレビと行動を共にする。当時の出演作品に映画「殺すまで追え 新宿25時」(1969・松竹)、「女番長ブルース 牝蜂の逆襲」(1971・東映京都)、ドラマ「非情のライセンス」、「江戸川乱歩の美女シリーズ」など。
現在も舞台などで活躍中。

【天知さんとの主な共演作】
[映]『「空白の起点」より 女は復讐する』(1966年)
[映]『殺すまで追え 新宿25時』(1969年)
[映]『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』(1971年)
[映]『まむしの兄弟 懲役十三回』(1972年)
[映]『狼男とサムライ』(1983年:日本未公開)
[TV]「一匹狼(ローンウルフ)」
[TV]「非情のライセンス」
[TV]「江戸川乱歩の美女シリーズ」
その他、TV・舞台共演多数

【会場・アクセス】
ザ・グリソムギャング(21席 : 16mmにて上映)
小田急線・よみうりランド前駅より徒歩7分(地図参照)
神奈川県川崎市麻生区高石3-26-6箕輪ビル1F
TEL & FAX:044-966-3479
 (電話予約受付時間 10:00〜21:00)
URL: http://movie007.hp.infoseek.co.jp/
グリソム地図

【予約・お問い合わせ】
※確実にご入場いただくために、電話予約をお願いいたします。
<電話予約先 ザ・グリソムギャング044-966-3479 (電話予約受付時間 10:00〜21:00


【天知茂プロフィール】
  本名・臼井登。1931年(昭和6年)3月4日生まれ。愛知県名古屋市出身。高校卒業後、松竹下加茂でのエキストラ時代を経て、1951年、新東宝に第1期スターレットとして入社、3年後『恐怖のカービン銃』で遅咲きの主演デビューを果たす。以来、石井輝男監督の“ライン・シリーズ”や中川信夫監督の怪談・恐怖映画で独自の魅力を開花。
  1961年の新東宝倒産後はテレビに活躍の場を移し、黒岩重吾シリーズ「孤独の賭け」「一匹狼(ローンウルフ)」などで陰のある主役を演じ好評を博す一方、本数契約した大映では『座頭市物語』『眠狂四郎無頼剣』、田宮二郎主演の“犬シリーズ”などで存在感溢れる名演を見せた。
  70年代に入ると「非情のライセンス」の会田刑事が当たり役となり、「江戸の牙」「雲霧仁左衛門」などの時代劇でも活躍、80年代には“江戸川乱歩の美女シリーズ”の明智小五郎役で不動の地位を築く。
1964年からは舞台にも携わっており、丸山(現・美輪)明宏との『黒蜥蜴』や、名古屋を題材とした花シリーズ3部作などで熱演。また、同じ頃から歌手としても活動を始め、「昭和ブルース」を大ヒットに導いただけでなく、作詞・作曲をすべて手がけるまでに至っている。
  早い時期から個人プロダクションを興し、海外での映画製作にも乗り出すなど多才ぶりをいかんなく発揮、トメの役者として新たな円熟味と存在感が加わろうとしていた矢先の1985年7月27日、くも膜下出血で急逝。享年54歳の早すぎる死を悼むファンは多い。
  本作品での彼は、斜陽の新東宝で色悪ギャングから柳腰の二枚目、はたまた苦悩する吸血鬼まで、どこか癖のある幅広い役柄を真摯に演じてきた末に掴んだ“颯爽とした好漢”役。ニヒルさが売りとなった後年には滅多に見られない役柄だけに興味深い。

<Project A 実行委員会>