-- トラウマの天知茂 --

「うちの甚兵衛さん」放映リスト

放送年月日 タイトル 出演 その他出演 あらすじ(朝日・読売新聞引用)
1 1967.3.28 三河武士と江戸娘 大辻伺郎、左幸子、大橋巨泉、朝丘雪路 【維新に生きた夫婦の哀歓】三河の郷士から身を起こして江戸で活躍しようとした青年が官軍に敗れ、横浜で洋食店をひらく物語。一本気な維新の青年夫婦の姿を、彼らのたどった喜びと悲しみをおりまぜ、26回にわたって描く。ドラマの発端は、上野の山の彰義隊の戦争。主人公の三輪甚兵衛(大辻伺郎)は、青雲の志にもえて江戸に出、彰義隊に加わるが、形勢利あらず、敗れて品川の回船問屋”鶴一”にたすけられる。いらい彼は、武士を放棄し、”鶴一”の娘とともに横浜に出て、日本ではじめてのナイフとフォークを使った料理店を開く。原案は東京映画の二橋進吾氏。氏の四代前の実話をもとにしたもので、脚本は池田一朗。甚兵衛の妻ように左幸子がふんし、十七歳から六十四、五歳までを演じる。
2 1967.4.4   大辻伺郎、左幸子、大橋巨泉、朝丘雪路 【髪を切って横浜で修行】官軍との戦いに敗れて武士を捨て横浜に出た甚兵衛(大辻伺郎)は、開港新聞社で働きはじめた。同社の田辺重蔵(天知茂)は、甚兵衛に英三番館で働いてはどうかとすすめた。新しい土地で生きるには、外人のところで修業する必要があるというのだ。甚兵衛は思いきってでかけたが、そこで最初に言われたのは髪を切れということだった。きょうは、横浜で生きるため涙をのんで髪を切る甚兵衛の姿を通じ武士道の名残を描く。原案・二橋進吾、脚本・池田一朗。【マゲを切る甚兵衛】武士を捨てたはずの甚兵衛(大辻伺郎)もチョンマゲを切らなければならない、といわれて迷いはじめた。きょうは、新しい土地横浜で生きるためにはと、涙をのんでマゲを切る甚兵衛の姿を通して、武士道のなごりを描く。
3 1967.4.11 西洋料理 左幸子、大辻伺郎、ロミ・山田、
三浦布美子、加藤嘉
 
4 1967.4.18   左幸子、大辻伺郎、五十嵐新次郎、
ロミ・山田
【洋食にとりつかれる】 洋食にとりつかれた甚兵衛(大辻伺郎)に、クレイ号のコックが味のつけ方を教えてくれ、記念にといって料理帽子までくれた…。きょうは甚兵衛が、洋食一すじに打ち込んでいく姿をえがく。脚本・池田一朗。 (大阪版)日曜英語じゅくでの勉強も甚兵衛には興味がなくなった。クレイ号で出された洋食の味が忘れられず、もらってきたメニューを何度も読み返して授業など上の空。その甚兵衛に田辺がナイフとフォークを持ってきてくれた。その上クレイ号のコックは味のつけ方を教えてくれ、記念にと料理人用の帽子までくれた。
5 1967.4.25   左幸子、大辻伺郎、金子信雄 【結婚式をあげることになって…】甚兵衛(大辻伺郎)とおよう(左幸子)が結婚式をあげることになる。仲人は田辺(天知茂)とおゆう(三浦布美子)、司会は英語塾の五十嵐先生(五十嵐新次郎)、式場は開港新聞。が、その新聞社も経営がゆきづまって、田辺が社屋を斎田(金子信雄)に売り渡したことから、挙式もできかねる状態だったが、せめて婚礼の時間だけ使わせてくれと頭をさげるというみじめさだった。出席の沖仲仕たちは、みんな貸衣装、メリケン帰りと自称するジョージ(大橋巨泉)も貸衣装である…。脚本・池田一朗。【売り渡した会場で結婚式】甚兵衛と、おようの婚礼の日がきた。仲人は田辺とおりゅう、司会は英語じゅくの五十嵐先生、式場は開港新聞ときまったまではよかったが、経営の行き詰まりで、田辺が社屋を斎田に売り渡したことから、挙式もできかねる状態、それでもやっと、その時間だけを借りて式をやることになった。
6 1967.5.2   左幸子、大辻伺郎、小野栄一、金子信雄  
7 1967.5.9   左幸子、大辻伺郎、三浦布美子、金子信雄 (大阪)「三輪屋」もようやく軌道にのりかけたが、甚兵衛は店を妻にまかせ競馬にこり始めた。そんなある日、甚兵衛が腕をふるったステーキを客は一口食べたまま、表へでてしまう。甚兵衛は無礼なその客、曽根(小林昭二)をなじるが、曽根はこんな料理で銭をとるのはドロボウだという。
8 1967.5.16     左幸子、大辻伺郎、北あけみ、小林昭二、
下元勉
 
9 1967.5.23   左幸子、大辻伺郎、一竜斎貞鳳、
三浦布美子
 
10 1967.5.30   左幸子、大辻伺郎、ロミ・山田、梅津栄  
11 1967.6.6   左幸子、大辻伺郎、ロミ・山田 【壮士芝居の川上が横浜にやってきた】甚兵衛(大辻伺郎)が、カレーライスの研究に取り組んでいたころ、壮士芝居の川上音二郎(永久保一男)が横浜にやってきた。保安条例で東京を追われたのだと聞いて、甚兵衛の正義感がほとばしる。川上に壮士芝居をさせようと、甚兵衛は奔走しはじめた。【カレーライス売り出す】甚兵衛(大辻伺郎)は苦心の末、カレー粉を入手し、カレーライスを売り出したが…。【初めてライスカレーつくる】甚兵衛がかねて頼んでいたカレー粉を斎田勇造が持ってきた。しかし甚兵衛は、そのカレー粉をどう使うか見当がつかなかったが、とにかくカレーライスらしきものをつくり上げた。
12 1967.6.13 支那饅頭 左幸子、大辻伺郎、ロミ・山田、金子信雄、
三浦布美子
【勢い込んで警察へ】明治27年、日本は清国に宣戦し、横浜の南京町では日本人と清国人の争いが度重なった。そのころ起こった横浜の火事騒ぎの中で、陳の女房水蓮(蔵悦子)が、子供をさらって売り飛ばそうとしたといって逮捕されてしまう。甚兵衛(大辻伺郎)は勢い込んで警察に抗議に乗り込んだ。脚本・池田一朗、二橋進吾。【日清戦争背景に】日清戦争を背景に、甚兵衛の正義感を描く。明治27年8月1日、日本は清国に対して宣戦を布告、横浜の南京街でも、清国人と日本人の争いがたび重なる。“同じ町に住んでいれば、清国人も日本人もない”という甚兵衛は、折りもおり、元町の火事騒ぎで、清国人の女が、よその子供をさらって売り飛ばそうとしたという疑いで警察につかまったのを知り、警察へのりこんでいく。
13 1967.6.20 親と子 左幸子、大辻伺郎、平井昌一、小川知子 【あとつぎいやがる一人息子】甚兵衛(大辻伺郎)が、レストラン三輪屋のあとつぎとして望みをかけていた一人息子の健一郎(江木俊夫)が、どうしてもコックはいやだといって、ひまさえあれば原田新平(天草四郎)の店でミシンをふんでいる。そんなさびしさを生糸相場でまぎらわそうと兜町へ出かけた甚兵衛は、そこで桜庭荘司(平井昌一)という好青年に出会う…。脚本・池田、二橋進吾。 (夕刊)甚兵衛は息子健一郎にレストランを継がせようとするが、健一郎は洋服屋になりたいという…。 (大阪版)三輪屋の一人息子の健一郎(江木俊夫)はコックになるのがイヤだという。田辺とおりゅうは好きな仕事をさせたらどうだという。甚兵衛もついに折れるが、そのさびしさを生糸相場でまぎらわそうと出かけたかぶと町で桜庭荘司(平井昌一)に出会う。 (読売新聞)【平井昌一がレギュラーに】きょうから平井昌一が、レギュラーに加わる。「柔」「うどん」に出演して人気を集めていたが、彼の役は、兜町の番頭桜庭荘司。ひとりむすこの健一郎が、家業をつぐのをことわったさびしさに、生糸相場を始めた甚兵衛が、親切な青年桜庭に会う。やがて、この桜庭は、甚兵衛の養子になるのだが―。(脚本)池田一朗、二橋進吾。
14 1967.6.27 ひとりぼっち 左幸子、大辻伺郎、平井昌一 【酒浸りになる甚兵衛さん】加代には死なれ、一人息子の健一郎(江木俊夫)は洋食屋はイヤだと洋服屋の仕事に熱中。そんなことが原因して、このごろ甚兵衛(大辻伺郎)は酒びたりである。そんなある日、クレー号の船長が死んだという知らせを受け取る。田舎侍の甚兵衛に、ハイカラな洋食を教えてくれた人だ…。脚本・池田一朗、原作・二橋進吾。 (夕刊)甚兵衛はクレー号船長の死の知らせに悲しむ。ハイカラな西洋料理を教えてくれた大恩人だった。 (大阪版)加代に死なれ一人息子の健一郎にそむかれた甚兵衛は、このところ酒びたり。そこへクレー号のキャプテンが死んだという知らせがきた。田舎者の甚兵衛にハイカラな洋食を教えてくれたのはこのキャプテンだった。大恩人にまで死なれた甚兵衛の悲しみを描く。
15 1967.7.4 勝負 左幸子、大辻伺郎、平井昌一、ロミ・山田、
三浦布美子
(夕刊)甚兵衛は三輪亭をレンガ建三階に建て替えることにした。その費用を作るために相場にかける。
(大阪版)三輪亭をレンガの三階建てに新築しようと甚兵衛がいいだした。しかし新築の費用がない。甚兵衛はあり金残らず銀行から引き出し、新しく横浜に店を出した若手相場師桜庭荘司(平井昌一)を訪れた。一か八かの勝負をするつもりなのだ…。
16 1967.7.11 徴兵検査 平井昌一、葉山葉子、金子信雄、梅津栄 【健一郎は上海へ】洋服づくりを本格的に勉強したいという熱心さにほだされて、甚兵衛(大辻伺郎)は、健一郎(小野武彦←原文通り。江木俊夫では?)の上海ゆきを許した。ところが、上海へ行ってから、健一郎からは手紙一本こない。そのうち健一郎に徴兵検査の通知が来たから甚兵衛はあわてた。もし検査に出なければ国賊呼ばわりをされる。甚兵衛は意を決して、健一郎の身代わりに検査場にのりこんだ…。脚本・池田一朗、二橋進吾。 (大阪版)甚兵衛の念願だったレンガ建て三階の新店舗も完成した。ところが、洋服の仕立てをやっている健一郎が勉強のため上海に行きたいと言い出した。「徴兵検査を目前にして洋行など」と、甚兵衛は反対したが、田辺の口添えもあり、徴兵検査の日までには帰ってくるという条件付きでしぶしぶ認めたが…。
17 1967.7.18 健一郎の留学 平井昌一、葉山葉子、ロミ・山田、
金子信雄、左幸子、大辻伺郎
(大阪版)日露戦争の勝利で町中がわきかえっているとき、健一郎が修業先の洋服屋からしょんぼり帰ってきた。眼が悪くなり、こまかい仕事ができなくなったという。甚兵衛とようは洋服屋を断念し家業をつぐよう口説きはじめたが、伊勢佐木町の洋服屋で主人の腕に驚いた健一郎は、その主人が英国で修業して来たと聞いて英国留学を考える…。
18 1967.7.25 結婚 平井昌一、三浦布美子、金子信雄 【おしのの縁談】甚兵衛(大辻伺郎)は、桜庭荘司(平井昌一)を長女おしの(葉山葉子)の婿養子にむかえるといい出した。みつわ亭を継ぐ長男の健一郎は、イギリスへ洋服の勉強に出かけてしまっているのだ。女房のよう(左幸子)大反対だが、相談相手の田辺(天知茂)は大賛成。おしのと桜庭は恋仲だし、第一、これからは、洋食づくりより、店の経営が問題なのだという…。脚本・池田一朗。(夕刊)桜庭荘司を長女しのの婿養子にむかえようとしたことから、甚兵衛と女房のおようは対立する。(大阪版)甚兵衛が桜庭(平井昌一)を長女しの(葉山葉子)のムコ養子にむかえるといい出した。おようはイギリスへ洋服の修業に行っている健一郎がいつ帰ってくるかもしれないからと大反対。甚兵衛は田辺に相談するが、田辺は養子に賛成で、洋食づくりの技術よりも、これからは経営が問題だという。
19 1967.8.1 波紋 平井昌一、葉山葉子、ロミ・山田、金子信雄、左幸子、大辻伺郎 (大阪版)日露戦争の勝利で町中がわきかえっているとき、健一郎が修業先の洋服屋からしょんぼり帰ってきた。眼が悪くなり、こまかい仕事ができなくなったという。甚兵衛とようは洋服屋を断念し家業をつぐよう口説きはじめたが、伊勢佐木町の洋服屋で主人の腕に驚いた健一郎は、その主人が英国で修業して来たと聞いて英国留学を考える…。
20 1967.8.8 秋日和 左幸子、大辻伺郎、金子信雄 【しのがおめでた】しの(葉山葉子)に子供ができたらしい。まもなくおじいちゃんになって、なにもすることがなくなるのかと、甚兵衛(大辻伺郎)よう(左幸子)夫婦は、ふと寂しさを感ずる。コックの山下(梅津栄)とみどり(小杉公子)が仲がいいと知ったのは、こんなときだった。年寄りがでるのはこのときとばかり、甚兵衛夫婦は二人の仲をとりもとうと画策し始めたが…。(夕刊)おしのに子供ができたらしい。甚兵衛、おようは間もなくおじいちゃん、おばあちゃんになる。(大阪)おしのに子供ができたらしい。甚兵衛、おようも、おじいちゃん、おばあちゃんになるのだ。二人はもうなにもすることがない。チーフの山下(梅津栄)と少女みどり(小杉公子)の仲がいいと知ったのはそんな時である。甚兵衛とおようは仲人役をかって出たのだが…。(読売新聞)【隠居夫婦のさびしさ】なにかといえば年寄扱いで、若いものに先を越される隠居夫婦のさびしさを描く。おしの(葉山葉子)に、こどもができたらしい。間もなくおじいちゃんになる甚兵衛(大辻伺郎)と、よう(左幸子)の老夫婦は、何もすることがない。そんなとき、コックの山下(梅津栄)とみどり(小杉公子)の仲がいいと知った老夫婦は、仲人になってやろうと画策をはじめたが…。
21 1967.8.15 お志乃の死 左幸子、大辻伺郎、平井昌一、葉山葉子、
三浦布美子
 
22 1967.8.22 おやごころ 左幸子、大辻伺郎 【店の金を株に】妻のおしのが死んでから、荘司(平井昌一)は魂がぬけたよう。ただ株屋にいって黒板をギラギラした眼で見つめているときだけ、おしののことを忘れることができた。とうとう店の金を持ち出して株に手を出した。だが、予想もしない大暴落…。(夕刊)妻のおしのが死んでから荘司は魂の抜けたようになり、再び店の金を持ち出して相場をやる。 (大阪)おしのが死んでから、荘司は魂の抜けた人間になるが、そのうちかつての相場の世界を思い出す。荘司はとうとう店の金を持ち出して株を張る。だが予想もしない大暴落が荘司を待っていた。 (読売新聞)【また相場の世界に】妻のおしのに死なれたさびしさを、相場でまぎらわそうとする荘司(平井昌一)の姿を描く。荘司は、妻が死んでからは、家にいる時間が少なくなり、あてもなく町を歩き回るばかり。ある日、二度と手を出すまいと決めていた相場の世界が頭を浮かび、荘司は、ついに店の金を持ち出して株屋へ向かった…。
23 1967.8.29 二人ぼっち 左幸子、大辻伺郎、平井昌一、金子信雄 【荘司が家出を決意】長男の健一郎(江木俊夫)がイギリスで食べたミンチビーフの味を思いだし、コックの山下(梅津栄)が聞きかじりでつくってみて大成功。三輪亭の名物にできると甚兵衛(大辻伺郎)は大よろこび。そんなころ、荘司(平井昌一)は、おしのが死んでしまった三輪亭にいる必要がないと、家を出る決心をした。脚本・池田一朗、二橋進吾。
24 1967.9.5 花火   左幸子、大辻伺郎、平井昌一、都築克子、
梅津栄
【祭の雑踏で突然倒れる】甚兵衛(大辻伺郎)は、眼の悪くなった女房のおよう(左幸子)と、横浜港祭の花火見物に出かけるが、二人の思いは、家を出た荘司(平井昌一)と孫のおたか(樋谷奈保美)のことばかり。突然、甚兵衛が「おたか」と叫んで雑踏の中へかけ出した。そしてばったり倒れる…。脚本・池田一朗。 (夕刊)横浜の港祭の花火見物に出かけた甚兵衛は、孫娘おたかの名を呼びながら人込みの中で倒れる。(大阪)甚兵衛は眼の悪くなったおようを連れて花火見物に出かけるが、二人の心の中は家を出た荘司と孫のおたかのことでいっぱいである。群衆の中に荘司とおたかの幻影をみて甚兵衛は「おたか!」と叫ぶが、激しい頭痛でそのまま倒れる。
25 1967.9.12 みつわ亭再建   左幸子、平井昌一、梅津栄、河村弘二  
26 1967.9.19     左幸子、平井昌一、金子信雄、梅津栄  

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