2007,08,14, Tuesday
#60「兇悪の燦(きら)めき」(1974年・S49・11月21日OA)
インフレ対策に宝石でも買おうかと思い立った右田刑事(左とん平)。日本一と称される宝石鑑定家・伊能正幸(加藤嘉)を訪ねたところ、当の本人の葬儀の真っ最中。近所の噂話から、下戸なのに飲酒運転でミキサー車に突っ込んだという伊能の死に不審を抱き、所轄署へ聞き込みに行くのだが、「2度も同じことを言わせないでください!」と冷たくあしらわれる。その頃1度目の男・会田(天知茂)は、ミキサー車の運転手・石黒(「江戸の牙」でオカマ役が強烈だった三夏伸)が暴力団・浦上(近藤宏)の指図を受けていたことを探り当てていた。 暴力団と宝石鑑定家との接点は何なのか。やがて、気に入った宝石しか鑑定しない完璧主義が信条だったはずの伊能の鑑定書付きダイヤが安値で大量に出回りだしたことが判明。右田と会田の疑惑の眼は、伊能の娘で父親譲りの鑑定眼を持つ妙子(松尾嘉代)へと向かう。父の潔癖さ故に生活が困窮、母を亡くした妙子は、父を、そして宝石を恨んでおり、浦上たちの言うなりに鑑定書を偽造していた。それが実の娘の行為だと知ることなく逝った父は幸せだったはず、そう開き直る妙子を「違う。違うんだ。違う、それは違うんだ!」とえらい勢いで否定する会田。 伊能氏は知っていたのだ。娘に偽造を勧めた浦上を非難しに向かい、口封じのため手下に酒を飲まされ車に放り込まれた彼は、自分が死ねば鑑定書は無効になるという事実に浦上たちより早く気づき、ワンテンポ遅れた連中が制止する前に自らアクセルを踏んでミキサー車に衝突したのだった。 「だからお父さんを殺したのはあんただ」会田の言葉と命を賭した父の愛情に打たれ、妙子は静かに両手を差し出した(昭和ブルースは4番)。 *右田刑事がほぼメイン、でもおいしいところは会田がかっさらう展開。右田が伊能氏の事件を追う動機は(多少無理があるとはいえ)判ったが、会田がどうして首を突っ込んだのかは謎。事件のあるところ常に会田あり、か。 *今回も、会田を前にして銃を取り出した無謀なヤーさんがひとり地獄送りになった模様。
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| TVドラマ(現代劇)::非情のライセンス2 | 03:53 PM | comments (x) | trackback (x) | |